第2回 アカ族・モン族 - 雑貨店Noichi(ノイチ)の運営 | 有限会社溝上企画

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第2回 アカ族・モン族

菅沼浩行
1998年9月から2002年6月まで、SVA(シャンティ国際ボランティア会) のラオス・ヴィエンチャン事務所で、「民話による初頭教育支援事業」というめっちゃ長い事業を担当。

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ラオスボランティア日記……とはこっぱずかしい題名にしてくれたね、M君。

それはさておき、以前、私の所属していた中学校の先生でも「ボランティアでどうやって生活していたの?」とかNPOのことを「PLO」と言ってしまうくらいの認知度。そこでボランティアについてちょっと考えてみた。

私はボランティアというものは無償でやれば、そりゃ格好いいんですが、「腹は減っては戦ができぬ」ということで、生活するにはある程度の見返りが必要。であるからして、「利益を求めず、心の豊かさを求める自主的な活動」だと思うのですよ。まあ、実際、私も青年海外協力隊とNGOでいくらか貰ってきましたし、本なんかではNPO(Non Profit Organization)は「民間」の「利益を求めない」「社会の人々のため」の「団体」とされていますからねぇ。そして、海外でよく言われたのが「現地の人と平等に」ということですが、どうも、良い意味で相手の意見を尊重し過ぎ、悪い意味でたかられて、こちらのことにはとりあえず従うが、尊重はしていない……という感じもないことはないのです。

例えば、やる気のない貧しいとされている人に対して、金をただ単に出すのではなく、やる気を起こすことが大切で、ただなんとなく上下関係を付けるのは好まないが、下のレベルに合わせるのではなく、上のレベルにもっていくことが重要だと思う・・・けど、「ボランティア=無償で頑張っているぞ」と崇高、神聖な行為というイメージで、自分のやっていることを顧みないこともなきにしもあらずで……まあ、題名に絡んだ小うるさい親父の一言でした。

さて、本題。前回も話したけど、ラオスはえっらい多民族国家。そんなかで私は南の中高地ラオ族を対象にしたけど、よく絵葉書や写真集に出てくるのは北部にいる少数民族で、これらの写真は北部のウドムサイ県に出張した際のアカ族とモン族の女性。アカ族は普段からこんな格好をしているみたいだけど、とある人によると「風呂に何日も入らないから臭い」とのこと。また、アカ族はコーとも呼ばれているようだが、これは奴隷の意味の蔑称だそうです。そして、このアカ族を含めたコーと呼ばれる民族はなぜか異常に識字率が悪く、95年のデータでは全体で3.8%と国平均の60%に遠く及ばず、女性に限っては0.7%というものであります。

次にモン族。これはお祭りの時のもので、普段はこんな格好はしておらず、たまーに市場で観光客目当てのおばちゃんやらが民族衣装を着る程度。いつも少数民族を写真に撮ろうとすると、結構嫌がられるが、このときは祭りということもあってか、そこらへんのおばちゃんたちも「撮れ、撮れ」と煽りまくっていた。このときはモンの新年(12月の中旬から下旬にかけて)のお祭りで、若い男女が好意を持つ異性に対し、ボールを投げ合って、愛の告白をするような「愛のキャッチボール」というようなものもあった。

まあ、この2つの民族以外にもいろいろいますが、だいたい装飾品が煌びやかなので、こっちで仕事したかったなぁ……と思っていたが、ある日、ILOの兄ちゃんと雑談の中で「どうして、北部の少数民族の衣装は南部のよりも豪華なのかね?」と聞いたら、開口一言「そりゃ、北部は寒いからで、南部は暑いから布 1枚でもいいんだよ」とミョーに納得してしまう答えが返ってきた……ともかく、次回(いつになるか分からんけど)は南部のセコン県の各少数民族について書きます。

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