僕の信じる全ての事【第3回】
1976年1月24日生まれ(27歳)タイ名:SURASIT DONJAIPRAIWAN (強力な人生という意味)カレン名:Eapoe Lor-ea(甘い花という意味)タイ最高峰に位置するドイインタノン(国立公園)山中のBaan Phamon村出身。生まれ故郷の自然を愛し、自然の力を信じ、自作の歌をギターと共に歌うのが好きな森の哲学者と言われる少数山岳民族カレン族の青年。大好物:殻付きピーナッツ。
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精霊と人間とどちらが危険なのだろう?
人間にとって霊は好いものと信じられている。
精霊・・・今回お話するのは精霊に関して信じられている事である。カレン族にはそのように精霊に関しては信じられている事が色々あるが、まず最初の一つは水に関する精霊の事。水の精霊はカレン語でナーティ(Na-Tee)と呼ぶ。この精霊ナーティーは水と居るのが好きな精霊。そして水を良く使う人と一緒に居るし、または水浴びをしている人や水を汲んでいる人の近くにいるのが好きだ。水の精霊ナーティーは人に熱に発熱させたり体のどこか或る一部を痛くさせる。例えば、目が腫れる。首が痛くなる。なぜだか手が痛くなる。水の精霊ナーティーは人のこれらの部分に悪さをする。しかし水の精霊ナーティー達が悪さするには理由(わけ)があり、カレン族の人々が河そのものや彼らの人生と同じような河の流れを愛するように仕向けるのある。ナーティーはほんの小さな精霊であり、河に関係した精霊である。 河の面倒を見、河に悪さをする人間をこらしめているのである。
しかし本当はその水の精霊ナーティは本当に居るのだろうか?僕は実際ナーティーを見た事が無い。でも自分の経験とそれらを経験した人が居て、僕はこの水の精霊ナーティーが好きになっっていった。そして何故この水の精霊ナーティーが現れたのかが解った。
水の精霊ナーティーはカレン族に河を知る事、河を愛する事や水の価値、水の怖さを教え、年代を通して語り継ぎ、謙虚に自然へ振舞う事。そしてお互いに受け入れあう事。河とは人間の命、自然とは人間の命のバランスである事を教えているのだ。
さて続いてもう一種類の精霊について話そう。その精霊は三路地の精霊。カレン語ではタームグアクレッパディ(Tha-Meu-Gra-Kle-Pha- Deh)と呼ぶ。三路地の精霊も同じように人に対して悪さをする。三路地に居る人間に悪さする。なぜなら三路地の辺りの多くは人が出会う場所であり、仕事に行く人やよその町の人が行きかい、つまりこの辺りは人の行き交う自然にとっては傷つき易い所なのである。
(だから三路地の精霊が人が居つかないように悪さをしているのである。)
もし三路地の精霊が居なければ自然は今よりも危害を受けているだろう。なぜならこの辺りには大きな木がたくさん有り、たくさん木がある所にはさまざまな動物も住んでいる。特に鳥、なぜなら鳥は木の上に住んでいる。そして鳥は生きる為に果物を食べている。 ほとんどの人は三路地に来て人に逢った時は必ず立ち止まり、休息し互いに言葉を交わす。人も木陰に居たがる。鳥が木の上に住んでいるように・・・・
もしこの辺りに木が無くなったら鳥の家はどうなるだろう?
三路地の精霊はカレン族に自然の命と共存を教え、水の精霊は人々に生きる為に水の価値を教える。そして人々が自然の法則を理解した時、人の命と自然の命の間は幸せに暮らす事が出来る。そして君は 自分の周りの自然を理解していますか?