僕の信じる全ての事【第5回】 - 雑貨店Noichi(ノイチ)の運営 | 有限会社溝上企画

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僕の信じる全ての事【第5回】

1976年1月24日生まれ(27歳)タイ名:SURASIT DONJAIPRAIWAN (強力な人生という意味)カレン名:Eapoe Lor-ea(甘い花という意味)タイ最高峰に位置するドイインタノン(国立公園)山中のBaan Phamon村出身。生まれ故郷の自然を愛し、自然の力を信じ、自作の歌をギターと共に歌うのが好きな森の哲学者と言われる少数山岳民族カレン族の青年。大好物:殻付きピーナッツ。

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水の話

カレン族の集落は以前からローテーションファーミングをしていたが、所によっては段々畑に適している為、このような畑も多かった。 段々畑を作る為にはたくさん水が必要である。しかしこの場合は使う水を無駄使いするわけではない。カレン族の人達はいつも水は大事なモノと考えていたし、通常1年の内に段々畑を作るのは一度だけであった。 そして段々畑の耕作は米を売る為ではなく、自分達で食べる為だけのものである。

1 年中でこの耕作をするのは梅雨のうちだけである。6月に始まって11月には終わる。耕作に使う水は使いたいだけ使えるという訳ではない。百姓が耕作の準備をする時、最初に考える事は森の神にお許しを請う儀式の事や山の事、川の事、木々の事、空の事、土の事、それに耕作期間中に使う為の水をどう使うか?等である。こうした過程にしたがって畑を持っている全ての家族は初めて川から水を畑にひく事が出来る。

川から水をひく事によりはそれぞれの家族が一緒にその水を使う事が出来る。しかし全ての水をひく箇所にはそれぞれ森の神より水を請う為の儀式をする人がいて、儀式をする際には部外者は遠くから見る事は出来るが、儀式の入ってはいけない。一緒に儀式の中で食事をする事もは許されない。 *外の人(その集落以外の人)

その儀式に必要なモノというのはツガイの鶏が1組、自分で作った米から作られた酒1升。まず最初に鶏を煮込み、火が全て通ったら足先の爪とクチバシ、心臓、羽先を切断して、酒と一緒に森の神に捧げ、水を請う祈りを捧げる。(これら全ての部位は先端「頭の部分)でありカレン族の人達にとっては特別大事なモノと信じられているからである)

儀式をする辺り、すなわち川から水を引く周辺の木を切ってはいけない。なぜなら水を引く際には木があった方が各方面に水が行き渡るからだ。儀式をする時も水を使う許可を森や自然に請う。段々畑の耕作を始めるにあたっては個の様な過程を経て、儀式が終わって一日おいてからやっと水を畑にひく事が出来、それはその年の耕作が終わるまで続く。

カレンの人はこうした儀式の時だけでなく日々の生活の中でも水を大事にしているなぜなら、水は世界中の人間、地球全体にとって大事な物である。いくつかの川は汚染されているのが世界の人々の最大の問題である。カレンのこれらの儀式は人間の勝手な行為ではなく次の世代への水の大切さを伝える為の大事な教えなのである。

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